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エピソード025 <電池と言語 ~ 展示会で思ったこと>

コロナによる「何でも禁止」状態が少し緩み、 久しぶりに展示会に出展することができました。 東京ビッグサイト「国際二次電池展 <Battery Japan>」です。 展示会は気分が高揚します。 今回はどんな人と出会うことができるか、 どんなビジネスのヒントを得ることができるか・・・ ブースに立ち寄ってくれた方、 立っている方とすぐに話ができる展示会は私の性格に合っているの だと思います。 いつもアメリカ時代の話しで恐縮ですが、 英語で話しかけられることが怖くなくなってきたころは、 展示会で自社ブースに立てるのがうれしくてワクワクしていました 。当時は文字通りBattery Japan(二次電池の世界シェアはほぼ日本の独占状態だった) でしたので、 日本人と電池の話しをしたいアメリカ人は大勢いました。 とは言え、 英語は話せても高度な技術的な質問には答えられないので、 日本から技術者に来て貰うこともありました。彼らの説明を、 私の通訳で聞いてくれるアメリカ人は真剣で、 こっちも緊張の連続です。知らない単語が出る。訳が詰まる。 技術者とアメリカ人両方の「頼むよ」 という視線を浴びながら冷や汗をかく・・・ ポケトークはおろか電子辞書さえなかった時代ですからスリリング そのものです。打ち合わせ前日は、たとえば「 セルに密着したブレーカーが摂氏45度で開き、 それによって充電が止まります」とか、 予想される質問に対する説明を英語で練習しました。待てよ、 摂氏で言ってもアメリカ人は分からないぞ。摂氏45 度って華氏では何度だったっけ・・・ スマホもネットさえありませんから英和辞書のお尻の「摂氏・ 華氏換算チャート」を使います。 当時は自分ながらよくやっているな、 と思って準備していましたが、 今考えるとこれぐらいフツーですよね。 でも、私がいなければこの二人の会話は成立しない、 と思うのは特別な感覚です。 正確に伝えないとビジネスが成り立たない。 アメリカ人が質問をする。訳す。私が技術者の説明を聞き終わり、 アメリカ人に向き直る。 彼はもどかしそうに私の訳説を待っている。今、 国際的なビジネスに関われている。そのとき、私が「 コミュニケーションのカギ」を握っていると感じたものです。 話しは変わりますが、 私は日本の展示会のあり方はもったいないと思っています。 たとえば、 ブースに